バカの申し子「めくる」のでんぐり巡り

ラーメン、いっぱい(一杯)食べたい~♪食べているから、ハッピーさ~♪

図書迷宮

(注)自分の中では

村上春樹とTAKA-Beeが合奏してみた小説です。

 

二人には、とてつもなく感謝しています。ありがとう。

 

『図書迷宮』

 

「は~ら。へっ、たな」

ドラゴンボールの主題歌の替え歌を歌う青年は

今日も自宅からいつもの道を通り「図書館」に向かう。

 

青年にとってこの場所は「一息つく」場所。

 

広すぎず、狭すぎず。

 

子供たちが座って読めるような四角い椅子も

用意してある。

 

時折、奇声を上げる子供や

それを注意するお母さんの「怒った」声をきくこともある。

 

その他にも、鼻を啜ったり、むせたり

携帯電話で話す声も聞こえる。

 

人によっては「不快な図書館」かもしれない。

 

青年も決して「居心地がいい図書館だとは思っていない」。

 

ただ、他の図書館に比べたら

「まだ」落ち着ける。

 

青年は「まだ」落ち着けるということで

その図書館を利用している。

 

青年は図書館につくと

異変に気づく。

 

「たしかに、今日は休日だ。

しかし、こんなに本棚の前に人が並び

四角い、背もたれのない椅子で本を読んでいる日が

あったかな?」

 

青年は心の中で考える。

 

そうなのだ。今日は人が多いだけでなく

本棚の前に立ち往生して本を探している人が多い。

 

青年は「まぁ、こういう日もあるか」と

考え、直感でエッセイコーナーの本棚に立つ。

 

土屋賢二さんか~。懐かしいな。

大学時代、むさぼって読んでいたな。

なに?『哲学者にならない方法』。割と新しいな。」

 

青年はまた口には出さず

心の中で思い出に浸り、立ちながらその本を読みだす。

 

すると30秒後、おじさんらしき人が近くにきて

自分の横の本棚の本をチェックし始める。

 

「近いな。離れてほしいな」と青年は思う。

 

おじさんはちらっとこっちを見て立ち去る。

 

またも30秒後、今度は少年二人が

青年のいる本棚の横を通り過ぎる。

 

「若いな。自分もあんな時があったな」と青年は思う。

 

30秒後、今度は女性が近くの本棚に

本を返し青年の後ろを通り過ぎる。

 

「今日はやけに人が通るな。

この図書館、人気が出てきたのかな。」と青年は思う。

 

流石に、連続で人が通ったこともあり

居心地の悪くなった青年は

ツチケンさんの専門でもある

哲学コーナーの本棚へと移る。

 

「哲学コーナーは最近、面白い本が見つからないんだよな。

なんか、堅苦しい本も多いしな。」と青年は考える。

 

すると、また。

 

人が。

 

後ろを通り過ぎるかと思いきや

手に持った本を落とし、慌てて拾う。

 

「今日はもう帰るかな。

なんか、集中してないしな。」と青年は思う。

 

青年が帰ろうと思った次の瞬間

「バタバタバタバタ」と大きな音。

 

「え?なんだなんだ??何が起きた?」

 

青年は、哲学コーナー以外の本棚を覗く。

 

すると、時が止まったかのごとく

本を持っている人達が本を落としている。

 

実際、よく見てみると

本を落としている人たちは

固まっている。

 

青年はぎょっとして、恐る恐る

近くにいる固まっている人の肩を触って、こう言う。

「どうしたんですか?」

 

ところが、皮膚の感覚がない。

石像のようにごつごつしている。

 

「この人、意識がない。どういうことだ・・・。

俺は動けている。そうだ。外は、どうなった?」

 

青年は我に返り、振り向く。

 

暗い。

 

電気のブレーカーでも落ちたかのように

外の景色が見えない。

 

青年は驚く。

 

「2時頃、図書館に

ついたわけだから、まだ夕方にもなってないはずだ・・・。

何が起きたんだ・・・?地震?」

 

「あの時の震災」の記憶が青年の中に甦ってくる。

 

青年は一通り、図書館内を見て回る。

 

しかし、全員固まっている。

 

「なんだこれ・・・。おれは夢でも見てるのか・・・」

いつの間にか、自分が動転していることに気づく。

 

「と、とにかく、外へ出よう。

外に出れば何か情報が・・・」

 

青年は図書館の入り口から出ようとする。

 

自動ドアは開いている。

 

外へ出ると

青年はあまりの暗さに呆然とする。

 

「電気がついていないのか・・・。

やっぱり地震か?地震が起きたのか・・・?

それにしても、さっきまで昼だったのに

もう真っ暗。何が起きてるんだ・・・?」

 

青年は何が何だか分からない。

 

とりあえず、坂を下って

来た道を通って

自宅に戻ろうとする。

 

「人の気配がしない。車も通ってない。

自分の足音しかしない・・・。怖い」

 

いつも歩いている坂が

地獄の穴にでもつながっている、そんな感覚を持つ。

 

交差点だ。

だが、ひとっこひとりいない。

 

「これは想定外だ・・・暗いだけじゃなくて

人もいないなんて・・・」

 

青年はとにかく、家まで歩く。

 

ただ、この途中、一人にも会わない。

 

何かおかしいと思って考えてみると

通りの家は壊れていないし

木も倒れていない。

 

地震じゃないのか・・・。うぅ・・・。

分からない。人が消えるなんてあり得ない。」

 

青年は、不安でたまらない。

 

先ほどまで本を読んで一息ついていただけに。

 

家に着く前に、通り沿いの駅に到着する。

 

予想通り、人はいない。電気も消えている。

 

青年はくたびれたので

真っ暗の駅の高架下で一休みする。

 

「誰でもいい。この状況を説明してくれる人

きてくれ・・・。漫画やアニメなら

こういう時、女の子がぽつんと突っ立っていたりするだろ・・・?」

 

しかし、そんな人は一向に現れない。

 

「自宅へ帰るしかない・・・」

 

青年は、不穏な空気を味わいながら

自宅へと戻る。

 

青年はここで重要なことに気づく。

 

to be continue。