詩集
突き当たった 難所越えが やれるか
鮮魚は 目利きの仕事だと ある人は言う 魚でも 個体差があり どれも違う 新鮮で 質のいい魚を見分け 仕入れて 売価をつけるのが ぼくの仕事だと ある人は言う ぼくは ここまでの仕事をやってはいないけど 他部門の こういう仕事観は 学びになって 明日の励み…
ゾロが 名刀に見出されたように 俺も 評価の束に踊らされないで 自分の声に恥じない 生き方がしたい
この声が 君に届きますように
お金は わたしに 欲しいものを教えてくれる
いらぬ確認と いる確認 その見極めは 自分でするほかない
スーパーも ほかの会社と同じで 数字を出さないと いけない ただ不思議なのは 色々改善点のありそうな 自分の職場が 全店舗の中でも トップクラスの成績を 叩き出しているという事実
何かを 分かるというのは 時間のかかる営みで そのことが 腑に落ちない限り 自分の頭で 言葉を動かすだけになる
鮮魚 青果 精肉 グロサリー レジ 総菜の人達に 心を配り 同じ同僚の今日の様子を 観察する 物量を観ながら 品出しスピードを考えて 開店したら お客様の動線を 意識する いい品出しの人でありたいなら これぐらいのことは 意識したい
今日も トイレと風呂一緒の場所で 歯を磨く
お尻に火をつけて 再燃せよ 君の 燃えるような ほのおが 目の前を照らすのです
俺の胃袋には 沢山の食べ物が 入ってゆき 溶かされて 消化されるのです
ジャムシリアルは よく 割引になる
空しさを 踏み越えてゆけ
渇きや 干からびがないのに 言葉が 染み込むことはない
何度でも 何度でも 何度でも 仕分けして 出すよ 君の商品 ダンボール 崩すまで
ユングには アドラーほど 即効性はないけれど じわじわ 時間をかけて 効いてくる
今日も みんなが仕事に出勤する前に マンションの廊下を 掃き出す お勤めご苦労さま
ここは 霊地 死者が眠る土地
風が 吹き出す 街は 慌て始める なのに 驚くほどに ぼくの心は しずかだ
その人が もう一度 仕事をやり続けるための その人が 再生する ひと言を 言えますか
お湯をはった お風呂の中で 潜る 10秒 20秒 30秒と 潜水する
和スパイスの やりにくさよ 以前 一番通路だった時は 前進を終えて あがれていたのに 今では それさえもできない
錆びつかせない ほこりをかぶらせない 生きとし生けるものと 共鳴するような そんな声を 出したい
一回ごとの 品出しに 全身を入れて やれますか
歳月は 人を変える 良きにつけ 悪しきにつけ 誰も その流れを 止めることはできない
俺が 誰だか すぐにでも 分かったら 苦労もない だが その人生は 生きるに値するだろうか
直に 出せ そのままの 思いを むき出しにして 出すんだ
伊右衛門 粉粉温湯 乳白紅茶 温々麦茶
人は 見た目を気にしないのは 無理なのかもしれない 今日 それを 深く感じた