砂の入った容器 少しずつ取り出して ペットボトルのふたにつめる そして裏返す さらさらケーキが できあがる 食べられないし 崩れちゃう そこに鳥たちが集まる

さらさらと一握りした手から こぼれおちる砂 山のように うずたかく積もって 砂のお城を築き上げる 誰も手を入れてない なんてこったここは 夢の世界だ 子供のおもちゃが 城を破壊する時 我に返る

飽きたら砂いじり たぶんそこにあるのは 宇宙で 無秩序の配列を 整える作業をしている 子供にとって自然は 混沌だ そこに秩序だったものは見られない だから自分でいじくる

誰も知らない砂の掟 このルールを破るものは 砂まみれになる 今日母親に叱られる こともあるかもしれない それでもいいなら破れ 俺は忠告したからな グッバイ

川岸にあるはずのすすきが 今はない 川岸にあるはずの草木が 今は見えない

お別れした人達が なぜだか無性に懐かしい 記憶は変わってしまうのに そこにいるかのように 手を伸ばせば届くのかな いいや思い出すのも大事だけど 感傷に浸っているだけじゃ ダメなんだ いない人達の記憶が 今目の前にいる人達と 関わることを促す 「さぁお…