水鳴の人声観~苦楽の中で

自分の中にある言葉を形にしています。最近のマイブームは、鷹揚に、ごゆるりと、です♪

詩「出す」

スーパーも

スーパーも ほかの会社と同じで 数字を出さないと いけない ただ不思議なのは 色々改善点のありそうな 自分の職場が 全店舗の中でも トップクラスの成績を 叩き出しているという事実

風が

風が 吹き出す 街は 慌て始める なのに 驚くほどに ぼくの心は しずかだ

そんな声を

錆びつかせない ほこりをかぶらせない 生きとし生けるものと 共鳴するような そんな声を 出したい

一回ごとの

一回ごとの 品出しに 全身を入れて やれますか

直に

直に 出せ そのままの 思いを むき出しにして 出すんだ

いつも通り

落ちている小石 落ちている紙屑 それを 手持ちのティシュペーパーで 回収して あとは いつも通り マンションの廊下を 掃き出す

自分の運命を

自分の運命を 呪い切れなかったものが 背負う十字架にこそ 人は あかりを見出す

自分の中で

自分の中で 市民という言葉を 出せないでいる そのひとりとして 自分が 生きているという 実感がない

明日も

一度や 二度ならず 今日出せる数だけ 出して 明日も また出すのだ

知らない痕跡が

知らない痕跡が 次の人に伝わって 考えることが苦手だった人も 考え出すようになる

まだマスクをしていた

今日入った お店のマスターも 注文を取る人も まだマスクをしていた 声を出すのも 少し憚られる雰囲気だった 料理はおいしかったけど

できる限り

スポンジで 食器を 容器を 洗い出せ できる限り 入念に 念入りに

内なる歯で

内なる歯で 人の思いを 嚙みだせ 噛んで 噛んで 噛み含めることでしか 見えてこないものがある

毎日

毎日 一錠の 夜の精神薬 忘れずに 飲みだせ

一週間使ったタオルは

一週間使ったタオルは 取り換えて 洗い出すよ

トイレの蓋は

トイレの蓋は きちんと 閉め出さないとな

言い忘れていたけど

言い忘れていたけど 冬場の人気商品 鍋つゆ 底が ぐにゃっとなっていることが多くて 並べる時に 倒れることがあるから 振り出して 底を立てるようにせんとな

まだ見ぬ声を

まだ見ぬ声を 探り出せ

かき出せ

歯を磨くな 歯の汚れを かき出せ

お前さんが

お前さんが 品出しという仕事に就いたのも 何かの縁だ この 出すという一語と 固いちぎりを結べ

ぼくは

早朝 家を出る 更けていく夜を 横目に ぼくは 今日も この道を歩いて 駅へ向かう

この力を

しゃしゃり出る 気づかい この力を 高めてみろ

出すという動詞を

出すという動詞を 生きる

昔から

昔から 不思議に思っていた いくという言葉 性から死まで 最近思う 品出しも 実は いき出しなのではないかと 数云々だけでなく どれだけ いけるかが課題なのではないかと

言葉を出したら

言葉を出したら 言葉を削ぐ この繰り返し 沢山言葉が使えると それに頼りがちだが 詩を書いていると分かる 一語との関係が深まれば それが世界を一変させると

心して

心して 出すべし お前の思いがこもった ひとつの音が 世界を変えるから

創造的に

人とのやりとりでも 歌のフレーズでも 創造的に 出すことができれば 文句なしだ

出せ

明日のジョーのコーチも たしか言っていた 出せ 出すんだジョーと

君の原動力はなんだ

君の原動力はなんだ 何が そこまで 君を出し動かすんだ

それが

出すことの喜び ただ出すだけ それなのに それが どうしようもなく 嬉しいと思える日が来たのなら