詩「風」
風が 吹き出す 街は 慌て始める なのに 驚くほどに ぼくの心は しずかだ
風が変わっても ぼくは 歩き続ける ぼくの取り柄は この日常を生き切ることだ
風雨にさらされて なお 自分の火の種を 消さないように 自分が 本当に大事だと 思うものを 待っている
時折吹く風が この暑さを ひととき 忘れさせてくれる 苦しみのさなかに ちょっとした 安らぎがある
風に 揺られて 枯葉が 踊る 道を開いて ただ進む
この街の風は 冷たいから ぼくは ぼくの地元に 着いた時に 安心する
雨が 風に誘われて からだを濡らす 蒸し暑さが からだを弱らせる
風は ここにあるはずなのに 感じ取る事さえ できない なにが それを阻むのだろう