詩「山」
突き当たった 難所越えが やれるか
深い言葉に アクセスするひとつの方法は 頭の中で 山に登って 山頂までの苦しみを 追体験することだ
ひと山を 突き抜けろ
お前の この大人の足で ひと山 登ってみろ
楽=楽しいじゃなかった かつて憧れた 歌い手の言葉だ 今も残響して いや 今最も強く 自分の耳でうなっている 自分に甘くしたら 休むのが常になったら このひと山は 越えられんぞ
この勾配を 進むことができるか
完全に 読書猿さんが言う 中級の壁に ぶつかっている このひと山を 越えたいんだけど できるかどうか
仕事をするということは 山登りのようなものだと 田坂さんは言った 今 自分は 何合目かは分からないけど 面白い場所に 立っている気がする
丸山さんの本は 晩年から読むと良い 山の周辺を ぐるぐる 迂回するようにしていると 人となりが見えてくる
ぼくたちは 幸せになるため この山を 登るんだ
今日も ひと山 登る
父の弟さんから 譲り受けた 岳の文字 今 俺は 歌という 高い山に登り 疲れて 足を止めている この山は とてつもなく 高く険しい 続けるのは困難だ 四年以上 歌い続けてきたが 次の一歩が重い
君はよくやった 少し歌は休んでいいから 迂回しよう このひと山を登り切りたいなら このまま まっすぐ行っては駄目だ
ひと山きて あきの気配が漂う中で 多くの者が ここでやめていったのだと 感じずにはいられない さぁ 今日も一歩踏み出すよ
風向きが変わったとしても どんなに辛い体勢でも 自分の持てる精一杯のことをなす それができるなら あなたは 必ず この山を越えられる