ひとつのアルバムを聴くよりも ひとつの楽曲が その人の根本を見せてくれる 沢山を知ることはそんなに重要じゃない ひとつの たしかな言葉に 触れることができれば

ドゥッカの音の響きに 苦しみの本質が隠れている 心の穴から すうすうと隙間風が出ていくような そういう状態の時 人は苦しみを感じる 逆に充足という言葉があるように 充たされている時は 空っぽの自分に エネルギーが偏在なく 満ち満ちている

次なる言葉と出会うため 今日を待ち続ける日々 永遠なる瞬間が ふと隙間に入り込んでくるように 今日の出会いに完敗

この世界を余すことなく 堪能するには 酸いも甘いも嚙分けながら 生きてゆくこと 抑制の効いた言葉とともに 詩を紡いでいくこと

書けない日々 文字通り 書けないんだ 字を書くことはできる しかし 言葉の生成がない 紋切型をぐるぐる使いまわしているだけ ここから這い出るのが なかなか難しい