ポケットの中に
残ったテイッシュのように
思い返さない記憶も
しばしばあって
ふいに涙がこぼれてくるのを知り
実感はもうないのに
悲しみだけが浮上して
あの時の辛さを
からだは覚えているんだと
しかと受け止める
道ゆく道を
歩き続けて
ふと足を止めて
後ろを振り返ってみたら
ちゃんとあの時の痛みはあって
でも今だからこそ
振り返ることができる自分がいて
目の前のことを
日々
やれたからこそ
ここに立っている自分がいて