水鳴の人声観~苦楽の中で

自分の中にある言葉を形にしています。最近のマイブームは、鷹揚に、ごゆるりと、です♪

詩「水」

絶望の中で

絶望の中で 飲む水こそ このからだの奥に 浸透する

つたない過去を

つたない過去を 水に流せるのなら そうしたいと思う でも人は 記憶の生き物だから やったことは消えないし 忘れてはいけない

泣けないのなら

泣けないのなら 泣かなくていい いつか必ず 泣ける日が来るから それまで ただひたすら 君だけの愛を重ねていこう

重なるとき

燃え滾っているような水が この世界にはあって 相矛盾した 二つの要素が 重なるとき 奇跡が起きる

遊ぶことだけが

水浸しになったこと 夜が来るなんて考えもしないで 遊んでいたあの頃 遊ぶことだけが 僕らの取り柄で 遊んでいたから 僕らでいられた 苦しい時は 思い出すんだよ 何が足りないのかを

この渇きを

この渇きを 潤すような水の言葉 待ち望んでいた けどそんなものはなかった 誰の言葉も こころの奥の底には 届かなかった 唯一のたよりは 自分だけ 自分の言葉だけが 自分の深い活力を 目覚めさせる

立ち止まりなさいと

ここにある貯蔵庫が 水辺に棲んでいる生き物が 僕たちに 教えてくれることがある 変色したように見える風景も 立ち止まりなさいと

今日も産卵する

流れる日々の中で ほうじ茶を飲むつかの間 液体が自分の中に入っていく タイムラインに出てくる文字列を見渡し 呟かれなくなった言葉たちがあることを知る 小さくて もろくて けどひとりひとりの 大切にしている日常が 今日も産卵する

こころが

こころが 軽やかになるような そんな歌であれたら どんなにいいことか 水のように やわらかくもあり すきとおったもう一つの目で

水を得た魚のように

見違えるような 人になりました 水を得た魚のように この世界を 紛れもなく 泳ぎ切っている

もう一度

もう一度 立ち上がるために 水を飲む

何度言い聞かせても

疲れを知らない子供たち 疲れを知っている大人たち 流れる水のような子供たち 淀んで滞った水のような大人たち 子供の頃のような気持ちでいれたらと 何度言い聞かせても なかなか童心は帰ってこない

水の塊は

声は出すものではなく 出るもので 同様に 見えない潤いは 流す意志ではなく 流れる何かで 水の塊は その中にある

待てど暮らせど

待てど暮らせど 光は見えない だけど 目の前にある この水が からだを満たす時 生きているんだって 実感する

かれこれ永い時間の中

かれこれ永い時間の中 水はあった めまぐるしく 変わっていく世の中でも 水は水であり続けた

歩いた分だけ

歩いた分だけ 水が美味い それが分かれば なにもいらないよ

からだが欲するものを

水なき世界に 潤いなどない からだが欲するものを 飲もうじゃないか

このからだを流れる水が

このからだを流れる水が 滞ってしまったのなら 流れを取り戻すしかない 生命としての力が 漲ることがあるように 自分の行きたい方向へ 行くんだよ

その絶え間ない繰り返しで

出せ からだの中の水分を 入れろ からだの中に水分を 惜しみないいのちの液体を 自分の受け要れられる範囲で その絶え間ない繰り返しで 自分がどうであるか もはやそんなことは二の次だ

滞っていたものが

滞っていたものが 開通する 水の流れが出てきて 新しいからだに 生まれ変わる時間

今日飲んだ水が

今日飲んだ水が 明日生きてゆく からだの一部になる 静かに ゆっくり からだを満たすように

のどが渇いて

のどが渇いて 水を飲んだ時のように 気持ちが生き返るような その流れに 身を浸しているだけで 安らぐような そんな歌があるから

この水は

水に手を入れて 感触を確かめる 柔らかいとしか 言いようがない この水は つかめないけど 触ることができて それでいて 自由だ

傾けるコップの水を

傾けるコップの水を ゆっくりと 飲むことで 自身の細胞に 染み渡る感覚をつかめるはずだ

渇いた心を潤すのは

渇いた心を潤すのは ひとすくいの水 全身の細胞が 産声をあげる 生命の水

内臓も足も腕も首も

身体じゅうを 隅々まで 揺らして 水のように 波打って 内臓も足も腕も首も 溶けて消えてしまうんだ

相手の心に

染み入る 染み渡るという言葉があるように 人の声というのは 水のようなもので 相手の心に すぅっと入っていくんだ

こちらは水をかけるしかない

これだけ政治が やることなすこと 炎上騒ぎならば こちらは水をかけるしかない バケツリレーよろしく ある時は共同で あるときはひとりで 火の勢いが強くて 間近に迫っているんだから 何もしないという選択肢はない 全身でもってして 水を汲んでかけるんだ

常に怒りが流れているような

水のようにすっと流れていく怒りもあれば 炎のようにめらめらと燃える怒りもある どちらも必要な怒りだ ただどちらであっても 理性と論理を使って 丁寧に伝えなければ意味がない そして自分は 水のような怒りの方が大事なのではないかと 考えている 常に怒り…

水と愛は似ている

水と愛は似ている そんな気がする どちらも触れると 癒しの効能がある 一方は柔らかく もう一方は温かく ただ唯一の弱点は どちらもつかむことができないということ